不動産を取得したときの登記した住所から、
現在の住所に異動した場合には、
登記上の住所を現在の住所に変更する必要があります。
この住所を変更する登記を所有権登記名義人住所変更登記といいます。

住所変更登記は、
住宅ローンを完済したときにする「抵当権抹消登記」や、
不動産を購入したときにする「所有権移転登記」などをするための、
必ず前提としてしなくてはいけないとても重要な登記です。
住所変更登記を飛ばして前記登記申請をすると却下されてしまいます。
司法書士でこれをやってしまうと、重大なミスとして責任追及は避けられないでしょう。
とてもとても大切な登記です。

住所変更登記を単独で登記申請することは稀で
所有権移転登記や抵当権抹消登記をするために
必要に迫られて申請することがほとんどです。
ですから必要に迫られなければ、
住所を変更するたびに登記申請する人はほとんどいません。

もちろん住所を変更するたびに登記申請しても誰もとめはしませんよ。

住所変更登記は専門家にたのまなくても
自分でできる比較的簡単な登記だと思います。
それでは、住所変更登記の申請方法を見ていきましょう。

 

住所の沿革(つながり)を証明する方法

まずチェックする場所は、下記登記事項証明書甲区欄の所有者の住所。
所有権登記名義人住所変更における登記情報をチェックする場所

ここに記載されている住所が現住所と異なっている場合には、
住所の沿革(つながり)を住民票や戸籍の附票で証明することになります。

「沿革(えんかく)」とは「物事のうつりかわり」という意味です。
つまり、「住所の沿革を証明する」とは「住所のつながりを証明する」ということです。

 

住民票には前住所の記載がありますので、
住所の異動が一回であれば住民票を取得するだけで証明できます。

複数回住所を異動している場合は住民票だけでは証明できないので
戸籍の附票を取得することになります。

戸籍の附票には、同一の本籍地に設定している間は住所がすべて記載されています。
ただし、戸籍が除籍されたり改製されたりすると、戸籍とともに戸籍の附票も新たに作り直されますので古い戸籍の附票も取得する必要があります。

戸籍の附票はまさに戸籍と運命共同体なわけです。
戸籍が除籍された場合、古い戸籍の附票を「戸籍の附票の除票」といいます。
戸籍が改製された場合、古い戸籍の附票を「改製原戸籍の附票」といいます。
どちらも5年経過後に廃棄され取得できなくなることがありますが、
廃棄するかどうかは市区町村の判断によります。
5年経過後のものでもあきらめず取得できるか確認してみましょう。

なお、戸籍の附票の請求先は本籍地の市区町村、住民票の請求先は住所の市区町村と異なることも覚えておいてください。
 
 

住民票・戸籍の附票・改製原戸籍の附票で住所のつながりをどれぐらい証明できるのかイメージを下図でつかんでみよう。
平成元年に登記された住所から現在の住所までのつながりを証明したいが、平成18年に戸籍が改製されたため、それ以前の古い戸籍の附票が保存期間である5年を経過したため取得できないケースとしてます。
住民票・戸籍の附票・改製原戸籍の附票で住所のつながりを証明できる期間
本ケースでは、「改製原戸籍の附票」さえ取得できれば「戸籍の附票」と併せて住所のつながりを証明できそうですが、残念ながら破棄されています。このようなケースでは住所のつながりを証明できませんので一筋縄ではいきそうにありません。

 

本記事では住所のつながりを証明できる場合として話をすすめていきましょう。
所有権登記名義人住所変更登記に必要な添付書類は
住所のつながりを証明する住民票や戸籍の附票だけです。
これらを取得することができれば残すところは登記申請書を作成するだけです。
最後に登記申請書の書き方・ひな形を確認しましょう。

 

所有権登記名義人住所変更登記の書き方・ひな形

登 記 申 請 書

登記の目的 所有権登記名義人住所変更

原   因 平成〇〇年〇月〇日住所移転※①

変更後の事項 住所
     大阪府枚方市〇一丁目〇番〇号※②

申 請 人  大阪府枚方市〇一丁目〇番〇号
           茨木 太郎  ㊞
       連絡先の電話番号
       〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇※③

添 付 書 類  登記原因証明情報※④

平成〇〇年〇月〇日申請
        大阪法務局池田出張所※⑤

登録免許税  金3,000円※⑥

 

不動産の表示※⑦

 一棟の建物の表示
  所   在  豊中市〇〇三丁目〇〇番地
  建物の名称  豊中ハイツ2号館
 専有部分の建物の表示
  家屋番号   〇〇三丁目〇〇番〇〇
  建物の名称  2号館303号室
  種  類   居宅
  構  造   鉄筋コンクリート造1階建
  床 面 積   2階部分  50.26㎡
 敷地権の表示
  土地の符号  1
  所在及び地番 豊中市〇〇三丁目〇〇番
  地   目  宅地
  地   積  7212.85㎡
  敷地権の種類 所有権
  敷地権の割合 49830分の510

  土地の符号  2
  所在及び地番 豊中市〇〇三丁目〇〇番
  地   目  宅地
  地   積  1890.85㎡
  敷地権の種類 所有権
  敷地権の割合 49830分の510

※①住民票・戸籍の附票に記載されている住所移転の日付を記入します。届出の日ではありませんので注意しましょう。複数回住所異動している時は、現在の住所に移転した日付のみを記入します。
 

※②登記事項証明書に記載される住所となりますので、住民票通り正確に記載しましょう。ただし、住所は都道府県名から、2丁目の場合は二丁目というように「~丁目」を記載する場合は固有名詞のため漢数字を使用するルールがあります。~丁目に続く〇番〇号は数字を使用します。都道府県名を省略できるのは都道府県名と市の名前が同一の場合です。マンション名についてはいれてもよいし、いれなくても大丈夫です。

(例)
〇 大阪府茨木市〇〇二丁目5番8号
〇 大阪市北区〇〇一丁目4番3号
✖ 茨木市〇〇二丁目5番8号
✖ 大阪府茨木市〇〇2丁目5番8号
✖ 大阪府茨木市〇〇二丁目五番八号
✖ 大阪府茨木市〇〇二丁目5ー8
 

※③住所は変更後の新しい住所を記載します。押印はお認印で結構です。書類に不備があった場合に法務局から連絡がきますので、連絡先を記載します。携帯電話の方がご都合よろしければそちらをご記載下さい。連絡がくるのはあくまで書類に不備があったときです。申請が完了しても連絡はきませんので、登記が完了する予定日を登記申請の際、確認するようにしておきましょう。
 

※④登記事項証明書記載の住所から現在の住所までのつながりを証明できる住民票または戸籍の附票を添付します。
 

※⑤管轄は不動産の所在地によって決まっております。管轄の調べ方は、インターネットで茨木市の不動産であれば「茨木市、不動産管轄、法務局」、西宮市の不動産であれば、「西宮市、不動産管轄、法務局」のように「不動産が所在する市区町村名、不動産管轄、法務局」と入れて検索して頂ければ、法務局の不動産管轄のページに辿り着き確認することができます。
 

※⑥不動産1個につき1,000円となります。注意すべきは、本件のようにマンション(敷地権付区分建物)の場合です。建物に加え、敷地権の目的である土地1個につき1,000円課税されます。今回の区分建物には敷地権が2つありますので、「建物1個+敷地権2個」となり、登録免許税は3,000円となります。
 

※⑦マンションなどの敷地権付区分建物の不動産の表示の書き方についてはこちらをご参照下さい。

 
 

登記申請書のWordファイルダウンロード

所有権登記名義人住所変更登記申請書(本人申請)のひな形のWordファイルダウンロード 
所有権登記名義人住所変更登記申請書(代理人申請)のひな形のWordファイルダウンロード
 
 

不動産登記申請書のひな形一覧

★移転関係
▢ 敷地権付き区分建物の所有権移転登記(売買)
▢ 所有権一部移転登記(贈与)
▢ 〇〇持分全部移転登記(財産分与)
★名変関係
▢ 所有権登記名義人住所変更登記
▢ 共有者の所有権登記名義人住所変更登記
▢ 共有者の所有権登記名義人住所氏名変更登記
▢ 抵当権登記名義人住所変更登記
★抹消関係
▢ 抵当権抹消登記
▢ 抵当権(あ)(い)抹消登記
▢ 古い抹消書類を使用する抵当権抹消登記
★設定関係
▢ 抵当権設定登記
★その他
▢ 所有権保存登記(建物表題部所有者名義)
▢ 抵当権変更登記(債務者の住所変更) 
▢ 抵当権変更登記(免責的債務引受)