住宅ローンを完済すると

銀行から抵当権抹消登記に必要な書類一式が送られてきます。

抹消書類に必要な書類一式とは、

1.抵当権解除証書(または弁済証書)

2.登記済証または(登記識別情報)

3.委任状

4.抵当権者の会社法人等番号が記載された書面

となります。

4に関しては調べたらわかるのでなくても大丈夫です。

3の委任状がはいってるのがポイントですね。

抵当権抹消登記に関して銀行は本人さんに委任(丸投げ)するわけです。

「必要書類は全部渡すので後は自分でやっといてね。」という感じです。

 

そんなわけですから、

抵当権抹消登記しなくても誰も文句もいわないし、

そのまま放置してしまう方も多くおられます。

 

それから何年かたって、

いざ抵当権抹消登記しようと思ったときに、

「あの時もらった銀行の書類ってまだ使えるのか?」

という問題が起こります。

 

結論から申し上げますと、

ほとんどのケースで使用することができます。

(吸収合併で抵当権者が消滅した場合のケースは今回触れません。)

ただし注意すべき点がいくつかありますので

確認していきましょう。

 

問題となる点

「現在の抵当権者の代表者と当時の代表者が変更している。」

場合です。

以前もらった抹消書類をよく見てみると

解除証書にも

委任状にも

当時の代表者の名前で印鑑が押されています。

このようなケースでは、

当時の代表者がいつからいつまで代表権を有していたか調べて、

登記申請書にその旨記載しなければなりません。

→過去の代表取締役の在籍期間を調べる方法

現在、登記申請書に会社法人等番号を記載すると、

当該会社の登記事項証明書を添付しなくてもよい扱いとなっております。

したがって、

代表者の在籍期間が、

会社法人等番号を同じくする登記事項証明書から判明する場合には

何も添付する必要はございません。

しかし、

異なる会社法人等番号の閉鎖事項証明書からしか判明しない場合には、

当該閉鎖事項証明書が必要となります。

さらに、

代表者の在籍した時期が平成12年頃より古い場合には、

コンピューター化される前の登記簿謄抄本を

添付しなければならない場合もありますので注意しましょう。

 

古い抹消書類を使う時の注意すべき点・まとめ

 
▢ 抵当権解除証書(または弁済証書)の日付が空欄になっている場合は、辻褄が合わない日付を記入しないように注意。当時の代表者の印鑑が押してあるのに現在の日付を記入するとおかしなことになってしまいます。

 
▢ 委任状の日付も注意。現在の日付を書いてしまわないように注意しましょう。

 
▢ 古い抹消書類に記載された抵当権者が旧商号であったり、旧本店が記載されていても問題ありませんが、変更証明書として、会社法人等番号の異なる閉鎖事項証明書やコンピューター化される前の登記簿謄抄本が必要になる場合があります。

 
▢ 代表者が当時と変更になっている場合は、登記申請書に当時の代表者の代表権が現在消滅している旨及び代表者の在籍期間を記載する必要があります。これらの証明書として、会社法人等番号の異なる閉鎖事項証明書やコンピューター化される前の登記簿謄抄本が必要になる場合があります。

 
▢ 登記申請書に記載する代表者の氏名は現在の代表者の氏名を記載します。