次の登記事項証明書のとおり
自宅の不動産を
夫である吹田健司と
妻である吹田絵里が
それぞれ持分2分の1の割合で
共有しているとします。
住所は自宅を購入する前の旧住所で登記されており、
現在の夫婦の住所は大阪府高槻市〇〇町4番12号になります。

不動産の共有者の登記事項証明書のサンプル

平成30年10月2日に夫である吹田健司が亡くなりました。
相続関係図は次のとおりです。

夫婦と子供2人の相続関係図

相続人である
妻、長男、長女で遺産分割協議を行い、
亡夫の自宅の共有持分は妻が相続することにしました。

亡夫の相続登記をする前に、
亡夫や妻の共有持分について登記されている旧住所について、
住所変更登記をするべきでしょうか?

亡夫の住所については必要ありませんが、
妻の住所については住所変更登記をすべきです。

亡夫の不動産共有持分に関して、
登記簿上の住所と現在の住所がつながる
住民票の写しや戸籍の附票の写しを添付することによって、
そのまま相続登記することができます。

したがって
①妻の共有持分について住所変更登記、
②亡夫の共有持分について相続登記

という順番で申請することになります。

→①住所変更登記申請書のひな形(共有者の場合)

→②相続登記申請書のひな形(共有持分を遺産分割により相続する場合)


 

妻の住所について住所変更登記をすべき理由

妻が新しく取得する共有持分に記載される住所は新しい住所である大阪府高槻市〇〇町4番12号となります。もともと持っていた妻の共有持分について住所変更登記をしないと新しい持分の住所と相違することになります。住所が異なると、登記上別人物と扱われてしまい、所有者として記載されるべきところが、二人の共有者がそれぞれ持分を有するような形で登記されてしまいます。これを防ぐためにも事前に住所変更登記をしておくことが望ましいでしょう。

 
①妻の共有持分について住所変更登記、
②亡夫の共有持分について相続登記
上記順番で登記申請した後の登記事項証明書は次のとおりとなります。
 

住所変更登記及び相続登記申請後の共有者登記事項証明書