代襲相続とは?
父が祖父(父の父)よりも先に亡くなって、
その後祖父が亡くなりました。
このような場合、
父が相続するはずであった祖父の相続を
父の子が代わりに相続することになります。
このような相続を法律用語では「代襲相続(だいしゅうそうぞく。)」と呼びます。
子が父の相続放棄しても子は祖父を代襲相続できるのか?
では、父が祖父(父の父)よりも先に亡くなったが、
父が亡くなった時に父に多額の借金があったために、
父の子が「相続放棄」をしていた場合はどうでしょうか?
先ほどの事例と同じように、父が先に亡くなり、その後祖父が亡くなります。
父は大きな借金を抱えて亡くなりましたが、
祖父は大金持ちだったとしましょう。
子は父が亡くなった時に、父に大きな借金があることを知り「相続放棄」をしました。
そして祖父が亡くなったときに、祖父に大きな遺産があることをはじめて知りました。
もちろん子は祖父の遺産を相続したいと考えるでしょう。
しかしこのとき、子は疑問を持ちます。
「父の「相続放棄」をしているので、自分は祖父の遺産を相続できないのではないか?」
でも、ご安心ください。
たとえ父の「相続放棄」をしていたとしても、
祖父の遺産を相続することができます。
感覚的に相続できないと思われた方も多いのではないでしょうか?
「相続放棄」は父の権利を一切取得できないようなイメージがありますから。
父が亡くなった時の「相続放棄」はあくまで父の相続に関するものであり、
将来相続するであろう祖父に関するものまで含みません。
したがって、父の相続につき「相続放棄」していたとしても、
祖父の相続につき、「相続することができる。」わけですね。
一方で、祖父にも多額の借金があり相続したくないような場合には、
「相続放棄」をあらためて行う必要がありますので注意しましょう。
ところで、前述した事例と全く異なる事例となりますが、
「代襲相続」の原因に「相続放棄」が含まれるのかという問題があります。
「代襲相続」の原因は「死亡」に加え、「欠格」「排除」といった相続資格の喪失も含みます。
「欠格」「排除」といった相続資格の喪失も含むもんですから、
「相続放棄」も含むんでないの?という疑問が生じるわけですね。
しかし、「代襲相続」の原因に「相続放棄」は含んでおりません。
したがって、「相続放棄」をすることによって、その子が「代襲相続」することはありません。
「相続放棄しても代襲相続できるのか?」と「代襲相続の原因に相続放棄が含まれるのか?」は混同しやすいので、その違いをしっかり理解しておきましょう。