婚姻中元夫の姓である田中を名乗っていた元妻が、
子供の親権者を元妻と定め、協議離婚をしました。
元妻の姓は旧姓である井上に戻したので、
子供も自分と同じ姓にしたいと考えています。

どのような手続きをしたらよいでしょうか?


子の氏を変更して母親と同じにする

1.離婚届を提出

提出先は届出人の所在地または本籍地の市区町村役場となります。
全国どこの市区町村役場でも大丈夫ですが、本籍地以外に提出するときは、戸籍謄本が必要となります。

参考に茨木市の離婚届に関するホームぺージのリンクを貼っておきます。
http://www.city.ibaraki.osaka.jp/kurashi/koseki_touroku/koseki/1311832100719.htmlこちらから離婚届をダウンロードすることもできます。
記入方法も併せて確認しておきましょう。
離婚届の様式は全国ほぼ同じですので他の市区町村役場の方も参考にできますよ。書式を使用することも可能です。

今回のケースにおいては、元妻は旧姓に戻り新しく戸籍を作らなければならないので、
離婚届の「婚姻前の氏にもどる者の本籍」欄の記載方法にだけご注意ください。
そちらには次のように記載します。

☑ 妻 は  新しい戸籍をつくる

本籍地は元妻の新しい本籍地を記載します。筆頭者は元妻となります。

離婚届を提出したら通常数日後から1週間で新しい戸籍を取得することができます。
どれぐらいで取得できるのか提出する際に確認しておきましょう。

  
 

2.氏の変更許可申立て

当司法書士事務所では、子の氏の変更許可申立書の作成費用報酬3万円(税別)+実費(戸籍・印紙・通信費)にてお受けすることができます。ご相談は無料ですので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
提出先

「氏の変更許可申立書」の提出先は、子の住所地を管轄する家庭裁判所となります。
 
大阪府の方で管轄裁判所を調べたい方はこちら
兵庫県の方で管轄裁判所を調べたい方はこちら
京都府の方で管轄裁判所を調べたい方はこちら
 
15歳以上の子は子ども本人、15歳未満の子は親権者が手続をする必要があります。

必要書類

▢ 戸籍謄本
1.子が、いま、現に入っている戸籍謄本。本件のケースであれば、元夫と一緒に入っている戸籍謄本。
2.子が、これから入ろうとする戸籍謄本。本件のケースであれば、元妻の新しく作った戸籍謄本。
※離婚により新しく戸籍がつくられた後に転籍されている場合などは、子と親権者が同じ戸籍にいたときから現在の戸籍までつながるものが必要となります。
 
▢ 申立書
裁判所のホームページで事前に申請書を取得することができます。
→裁判所HP http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_07/
 
▢ お認印
 
▢ 収入印紙・・・子1人につき800円
 
▢ 郵送手続の場合は郵便切手が必要です。申立てをする裁判所にご確認下さい。大阪家庭裁判所の場合は、82円×3枚です。
 

手続きが終了すると、子の氏の変更許可審判書謄本がもらえます。
次の手続きに必要ですので大事にとっておきましょう。

 
 

3.入籍届

提出先は離婚届と同じく届出人の所在地または本籍地の市区町村役場となります。
全国どこの市区町村役場でも大丈夫ですが、本籍地以外に提出するときは、戸籍謄本が必要となるのも同じです。

市区町村役場備付けの入籍届に必要事項を記入し、
子の氏の変更許可審判書謄本を添えて提出しましょう。

子の新しい戸籍の取得には数日間時間を要しますが、これで全ての手続きが終了となります。

お疲れ様でした。

 

 

 

離婚後、元妻が旧姓ではなく婚姻中の姓を名乗る場合、手続きに違いはあるか?

ほとんど違いはありませんが、最初の1.離婚届の手続きが異なります。
 
離婚届の記載方法ですが、「婚姻前の氏にもどる者の本籍」欄には何も記入せずに、離婚届とは別に「離婚の際に称していた氏を称する届」という書面を提出する必要があります。
こちらの書面を離婚届と同時に出すことによって、離婚後婚姻時の姓(氏)を名乗ることができます。離婚日から3ヶ月以内であれば、婚姻前の姓(氏)に一旦もどった後も、「離婚の際に称していた氏を称する届を提出することによって婚姻時の姓(氏)を名乗ることができます。

茨木市のホームぺージから「離婚の際に称していた氏を称する届」の書式ダウンロード、記載方法も確認できます。
http://www.city.ibaraki.osaka.jp/kurashi/koseki_touroku/koseki/1311832100719.html

この結果、離婚後も元妻は元夫や子と同じ姓を名乗ることになりますが、妻の戸籍自体は新しく作られます。
本件上図でいえば、新しくつくられる元妻の戸籍の姓が井上ではなく、田中にかわるだけです。
子の戸籍が元夫の戸籍に入ったままなのもすべて一緒です。

とはいっても、元妻の姓と子の姓が同じになりますので、2.氏の変更許可申立ては必要ないように思われるかもしれません。しかし、子が元妻と同じ戸籍に入るためには「子の氏の変更許可申立」をする必要があります。同じ姓でも戸籍が違えば違う氏であるためと理解して頂ければわかりやすいかなと思います。

したがって、1.離婚届の手続きを除き、2.子の氏の変更許可申立、3.入籍届ともに、元妻が婚姻中の姓を名乗る場合も全く同じ手続きをすることなります。