相続手続きで兄弟の戸籍を取得することができるのか?

相続手続きで兄弟の戸籍が必要になりますが、

兄弟の戸籍を本人の代わりに取得することができるのかが問題となります。

 

戸籍を請求できる人は、戸籍法第10条第1項で定められており、

原則、無条件で請求できるのは、

「本人、本人の妻(または夫)、両親(祖母)、子供(孫)」となっております。

 

つまり、兄弟は含まれておりません。

 

しかし、戸籍法第10条の2第1項では第三者が戸籍を請求できる場合を定めております。

 

どのような場合に第三者が請求することができるのか?

 

条文を読み解くと、

「自己の権利を行使するため戸籍を確認する必要がある場合に、

具体的な理由を証明すれば請求することができる。」

となっております。

 

相続手続きでは「相続人を確定させるために兄弟の戸籍が必要となります」ので、

まさにそれが自己の権利を行使するための具体的な理由となります。

 

具体的な理由を書面に書くならば、

相続登記や預貯金の相続手続きで遺産分割協議をするために相続人を確定するため。

兄弟の戸籍謄本は、相続登記では〇〇法務局〇〇支局に、預貯金では〇〇銀行〇〇支店にそれぞれ提出する。

このように説明すれば充分でしょう。

ただし、具体的な理由とともに、

「被相続人が亡くなっていること」

「請求する人自身も相続人であり、今回請求したい戸籍に記載された人の兄弟であること」

も併せて証明する必要があります。

これについては、

「被相続人が亡くなったことがわかる戸籍」

「請求する人の戸籍」

をそれぞれ提出しましょう。

 

戸籍を請求書するためには、

「本籍地」「筆頭者」で戸籍を特定する必要がありますので、

これらの情報も必要となることを付け加えておきます。

「本籍地」「筆頭者」がわからないときの確認方法として、

①本人に聞く。

②兄弟の本籍地と筆頭者が記載された住民票を取得する。

③被相続人の戸籍から辿る。

以上の方法が考えられます。

 

まとめ

兄弟の戸籍は原則請求できない。
ただし、
自己の権利を行使するために必要な具体的な理由を証明できれば取得することができる。

その際必要となる書類は以下のとおり。
①被相続人が亡くなったことがわかる戸籍。
②請求する人自身の戸籍。
③具体的な理由を書いた書面。