一番最初に遺言書を探さないといけない理由

それは、遺言書がある場合とない場合とでは、相続手続きがまるで変わってしまうからです。相続手続きが全部終了した後に、遺言書が発見されると、すべての相続手続きがひっくり返されるおそれがあります。

被相続人(故人)が相続人に遺言書があることを伝えていればよいのですが、相続の話はなかなか話しずらいものであり、たとえ遺言書を作成していたとしても、相続人に内緒にしているケースが多いです。
そうなると、発見することは大変難しく、見つけるのに時間を要することも少なくありません。

もしあなたが遺言書を作成しているなら、その存在を「相続人」又は「受遺者」に伝えておくべきでしょう。

ここでいう「受遺者」とは、遺言により遺産を取得する相続人以外の人(例えば、「愛人」や「内縁の妻」)のことです。

結局遺言書がすぐに発見できず、全ての相続手続きがようやく終わって落ち着いたので、家の片づけをしていたらタンスから遺言書が発見されたりしたら悲劇です。

非常に厄介なことになってしまうことを覚えておきましょう。

大切なことなので、繰り返し申し上げますが、
遺言は法定相続に優先します。

「遺言 >法定相続」

ですので、あとから遺言書が発見されると、相続手続きをすべてやりなおすという恐ろしい事態をまねきます。
そうならないためにも、しっかり遺言書を探しておきましょう。

 

遺言書の具体的な見つけ方

それでは、次の方法によって、遺言書を探していきましょう。

1.自宅をくまなく探す。

2.銀行から貸金庫を借りている場合は確認する。

3.被相続人の知り合いに弁護士、司法書士、税理士、行政書士がいる場合は、遺言書作成にかかわっている可能性がありますので、確認しましょう。

4.公証役場に遺言書の存在を確認する。

北摂(茨木市、高槻市、池田市、箕面市、豊中市、摂津市、吹田市)であれば高槻公証役場、枚方市であれば枚方公証役場が最寄りの公証役場になるとおもいますが、全国どこの公証役場で作成されていたとしても、遺言書を検索することができます。大阪のその他の公証役場はこちら

公証役場での遺言書の検索は誰でもできるわけではありません。検索できるのは相続人又は利害関係人(受遺者、遺言執行者)のみです。被相続人が生きている間は、気になっても、遺言書の検索はできませんので注意してください。

全国どこの公証役場でも遺言書の検索をすることができますが、検索できるのはどこの公証役場で保管されているかであって中身までは見れません。中身を確認するために遺言書が保管されている公証役場に再度出向く必要があります。

公証役場で遺言書の存在を相続人が確認するために必要な書類

1.被相続人の死亡がわかる除籍謄本

2.相続人の現在戸籍

3.請求者の印鑑証明書

4.実印

5.請求者の本人確認書類(免許証等)

※公証役場により扱いが異なることもありますので、事前に確認をお願いします。

遺言書を公証役場以外で見つけたときは、勝手に開封しないで

公証役場以外で遺言書を発見した場合には、家庭裁判所の検認手続きが必要となります。封がされている場合は、検認手続きまで開封することは禁止されておりますので、中身を見たい欲求はぐっと我慢しましょう。