年金を受給していた方がなくなると、遺族はそれまで受け取っていた年金の受給を停止する手続きをしなくてはいけません。年金受給者死亡届をださないとこれまで通り年金が振り込まれてしまい、そのまま遺族が年金を受給し続けると、後々大変な問題となってしまいます。
年金受給者死亡届は市役所に出す死亡届とは別物です。市役所に死亡届を出せば年金が自動的に止まる仕組みはありませんので気を付けましょう。
国民年金は14日以内、厚生年金は10日以内に年金事務所または年金相談センターに年金受給者死亡届を提出して、しっかりと年金受給停止の手続きを行いましょう。
ところで、年金は偶数月の15日に2か月分を後払いで支払うという仕組みであります。
従って、年金は故人が死亡した月まで受給することができる(4月5日に死亡した場合でも、4月分まるまる受給できるということ。)のですが、年金受給停止の手続きを行うと、届出をした日以降に振込がされることはありません。振込予定日には故人の口座は既に凍結されているでしょうから。
ここで今日のお題の「年金の未支給分の請求手続き」が必要となってきます。
この年金の未支給分の請求手続きをしないと、年金を1か月または2か月もらい損ねることになりますのでご注意下さい。
ちょっとややこしいので、もう一度、具体的に説明しますね。
例えば、故人が4月5日に亡くなった場合、4月分まで年金を受給できることになります。しかし、4月分の年金は6月15日に振り込まれる予定となっていましたので年金受給停止の手続きをしたらもう振り込まれることはありません。そこで未支給分の請求を別途行い、4月分の年金を受給しなければならないわけであります。未支給分の請求をしなければ、振り込まれませんので気をつけましょう。
未支給分の請求ができるのは、故人と生計をともにしていた1.配偶者、2.子、3.父母、4.孫、5.祖父母、6.兄弟姉妹、7.その他3親等内の親族の順となります。
年金の未支給分は相続財産ではありませんので、相続放棄した者であっても、前記の条件に当てはまる限り請求することができます。
以下に、各手続きの提出先と必要書類をまとめておきます。
1.年金の受給停止の手続き
書類提出先 年金事務所または年金相談センター
必要書類 故人の年金証書
年金受給権者死亡届
故人が死亡したことを証する書面(除籍謄本、住民票除票など)
2.年金未支給分の請求の手続き
書類提出先 年金事務所または年金相談センター
必要書類 故人の年金証書
故人が死亡したことを証する書面(除籍謄本、住民票除票など)
故人と請求する人が生計を同一にしていたことを証する書面(住民票など)
請求する人の戸籍謄本
年金の振込を指定する金融機関の通帳