ある日貸金業者から支払催告書(裁判所からの書類ではない。)が突然届いた。
その借金は、
「ずいぶん前にお金を借りたこと自体は覚えているが、
返済することなくずっと放置していた借金だった。
最後に返済したのは5年以上前だ。」
このような場合には、
消滅時効の援用が可能です。
貸金業者からの借金は、最後に返済した時から5年が経過することにより
消滅時効を援用することができます。
但し、5年の間に時効の中断事由(借金があることを認める等)がないことが条件です。
消滅時効を援用するためには、
消滅時効援用の通知書を内容証明郵便で相手方に郵送します。
この通知書自体は司法書士弁護士に依頼しなくともご自身で簡単に作成できるものです。
ただし、当事務所に消滅時効援用の手続きをご依頼された場合は、
内容証明郵便を送付するだけでなく、
代理人として債権者に連絡を取ってお客さまの借金が0であることを確認し、
今後お客さまに対して、債権者が請求することが一切ないようにします。
債権者と直接連絡を取りたくなく交渉もまかせたいという方は
当事務所にすべておまかせください。
手続きの費用報酬は、金3万3000円(税込)+実費1,615円のみです。その他通信費はサービスさせて頂きます。
今回は自分自身で消滅時効援用の通知書を作成し、
内容証明郵便で相手方に郵送する方法を簡単シンプルに解説していきます。
消滅時効援用の通知書を作成しよう。
内容証明郵便とは?
いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって郵便局が証明する制度です。
内容証明郵便のルール
用紙1枚あたりの字数、行数の制限があります。用紙に制限はありません。私は、横書き、1行26字以内、1枚20行以内のルールに従い、用紙はA4サイズを使用します。
枚数が2枚以上になるときは、下の図のように契印する必要があります。
実際に時効援用通知書を作成してみよう
※①支払督促等請求書が送られてきた会社の本店所在地及び代表取締役の氏名を記載します。登録貸金業者であれば次の検索システムを使って本店所在地及び代表取締役を調べることができます。
※②印鑑はお認印で結構です。
※③消滅時効の対象となる貸金債権(借金)はできるだけ特定しましょう。契約日がわかるなら「当該貸金債権」の後に( )書きで「当該貸金債権(契約日平成〇〇年〇月〇日)」、契約番号(会員番号)がわかるなら「当該貸金債権(契約番号〇〇〇〇〇〇)」と記載します。相手方から送付された請求書に契約番号や会員番号は大抵記載されております。でもわかる範囲で大丈夫ですよ。大切なことは、「相手方に消滅時効を援用するため、返済する意思がないことを伝えること」ですから。
※④最終弁済日がわかるようであれば記載しましょう。「最終弁済日である平成〇〇年〇月〇日から5年以上が経過しております。」と記載します。
消滅時効援用の通知書のひな形のダウンロード
消滅時効援用の通知書が完成したら、郵便局へ持っていこう。
内容証明郵便は全ての郵便局が取り扱っているわけではございません。
あらかじめ差し出そうとする郵便局へ内容証明郵便の取り扱いがあるかご確認下さい。
大きな郵便局であればたいていは取り扱っていますのでご安心ください。
※①消滅時効援用の通知書を3枚用意します。送付用・郵便局保管用・控え用となります。原本1通+コピー2通でも大丈夫です。印鑑については原本及びコピー全てに押印してもいいし、印鑑が押してある原本をそのままコピーしてもどちらでも大丈夫です。私は原本及びコピー全てに押印するようにしてます。
※②封筒には差出人及び受取人の住所氏名をします。消滅時効援用の通知書に記載した住所氏名を一言一句正確に記載しましょう。
封筒の封は職員の目の前でしますので、封は絶対にしないでください。切手も封筒に貼付しないようにしましょう。
書類を提出したら、郵便局の職員が内容をチェックします。
書類を提出する際には、相手方に書類が間違いなく届いたことを証明するために
配達証明書付きの内容証明郵便で送付するようにします。
郵便局の職員さんの力量と込み具合によりますが、1時間以上待たされることもありますのでご注意下さい。1時間以上待つのが嫌な場合は、連絡先を教えておくと、終わったら連絡くれることもあります。私の場合は、待っている時間を使ってほかの用事を済ませておくようにしております。
内容に不備があっても、印鑑があればその場で訂正できますので、印鑑を忘れずに持参するようにしましょう。
郵便局窓口で配達証明書付内容証明郵便を送付するための料金
□ 基本料84円
□ 書留料435円
□ 配達証明料320円
□ 内容証明料440円(2枚目以降1枚当たり260円)
以上の合計額が内容証明郵便を送付するための料金となります。
したがって、送付する書類が1枚であれば、
通常は1279円となります。
送付する書類が2枚になる場合は1539円となります。
★本記事では取り上げておりませんが、
電子内容証明郵便の場合は1枚で1540円となります。