土地の地番・建物の家屋番号とは?住所(住居表示)との違い

「この建物の所有者は誰?」
「建物の形状は?」
「土地の広さはどれぐらい?」
これら不動産に関する情報は、役所である法務局が全て管理しています。

そして不動産に関する情報は、所有者でなくとも誰でも、手数料さえ支払えば、法務局が「登記事項証明書」という書面を発行することによって、知ることができるのです。

しかし、ここで一つだけ問題があります。

それは、「不動産の特定の仕方」です。

不動産の情報を知りたいと思ったら、まずはそれがどの不動産なのか特定しなければなりません。この時、私たちが普段使っている住所(住居表示)を用いて特定することはできないからです。

私たちが普段使っている住所(住居表示)は、土地・建物を特段区別することなく、土地・建物一体のものとして、場所を特定するために使っていると思います。これに対し、法務局は、不動産である土地・建物をはっきりと区別した上で、土地であれば「地番」、建物であれば「家屋番号」を用いることによってそれぞれ特定しているのです。

例えば、同じ土地でも、
住所(住居表示)では、「茨木市〇〇町1番2号」と表示されるのに対して、
地番では、「茨木市〇〇町123番1」というように表示されます。

おわかり頂けたでしょうか?

法務局は土地や建物の不動産を住所(住居表示)ではなく、「地番・家屋番号」を用いて管理しているのです。したがって、法務局で不動産に関する情報を知りたいなら、まず「地番・家屋番号」を調べる必要があるというわけです。

それではみなさま、
ご自宅の「地番・家屋番号」をご存知でしょうか?

当然知らない方がほとんどでしょう。

ところで、「地番・家屋番号」は法務局だけが使用するわけではなく、不動産を特定するためのいろいろなケースで使われます。例えば、固定資産税の納税通知書やご自宅を購入した際の売買契約書にも記載されております。もしかしたら、勘の鋭い方は、ご自宅の住所と似て非なる「地番・家屋番号」の存在に気づいておられるかもしれません。

土地の地番・建物の家屋番号の調べ方

住所(住居表示)と地番が違うことがわかりましたので、
本日のお題である「地番・家屋番号」を調べる方法について見ていきましょう。

先ほど申し上げたように、「地番・家屋番号」は、固定資産税に関する「納税通知書」に記載されておりますでのまずはそちらを探してみてください。「納税通知書」は毎年5月ごろに送られてきます。あるいは、不動産を購入したときの「不動産売買契約書」の物件の表示欄にも「地番・家屋番号」が記載されていますのでそちらでもよいでしょう。
そのほか、不動産の権利証(登記済証・登記識別情報通知)や昔取得した不動産登記事項証明書にも記載されておりますのでそちらを探してみてもよいかもしれません。

上記いずれの書類も見つからなくても大丈夫です。

次の方法により「地番・家屋番号」を知ることができます。

一番簡単な「地番・家屋番号」を知る方法

それは、「法務局に電話をして聞くこと」です。

大阪法務局管轄区域内の法務局であれば、不動産の所在地を管轄する管轄法務局である下記リンク先にそれぞれ「地番・家屋番号の照会」専用の電話回線がありますので、電話すると担当の方が教えてくれる場合がほとんどです。どこの法務局でもいいわけではないですよ。管轄の法務局に電話しないと駄目です。

電話による「地番・家屋番号」の聞き方

担当の人「はい、〇〇法務局です。」
あなた「地番照会をしたいのですが・・・」
担当の人「それでは住所を教えてください。」
あなた「住所は、〇〇市〇〇町〇〇番〇〇号です。」
担当の人「調べますので少々お待ちください。」
(しばらくお待ちください。)
担当の人「それでは申し上げます。該当する不動産の地番(または家屋番号)は、〇〇市〇〇町〇〇〇番〇となります。」
といった流れとなります。

 

大阪法務局不動産登記の管轄区域の連絡先一覧
(大阪法務局(本局)下記リンク先「大阪法務局本局への電話によるお問合せ先一覧」をクリック→リンク先の「地番・家屋番号のお問合せ」にTEL。その他の管轄法務局下記リンク先「地番・家屋番号の照会及び各種証明書等の発行に関するお問合せ」にTEL)

大阪法務局(本局) 大阪市のうち中央区、旭区、城東区、鶴見区、浪速区、西成区
大阪法務局北出張所 大阪市のうち都島区、福島区、此花区、西区、港区、大正区、西淀川区、東淀川区、淀川区、北区
大阪法務局天王寺出張所 大阪市のうち天王寺区、生野区、東成区、東住吉区、阿倍野区、住之江区、平野区、住吉区
大阪法務局池田出張所 池田市、豊中市、箕面市、豊能郡(豊能町、能勢町)
大阪法務局枚方出張所 枚方市、寝屋川市、交野市
大阪法務局守口出張所 守口市、門真市
大阪法務局北大阪支局 吹田市、高槻市、茨木市、摂津市、三島郡島本町
大阪法務局東大阪支局 東大阪市、大東市、四條畷市、八尾市、柏原市
大阪法務局堺支局 堺市、松原市、高石市、大阪狭山市
大阪法務局富田林支局 富田林市、河内長野市、羽曳野市、藤井寺市、南河内郡(太子町、河南町、千早赤阪村)
大阪法務局岸和田支局 岸和田市、泉大津市、貝塚市、泉佐野市、和泉市、泉南市、阪南市、泉北郡忠岡町、泉南郡(熊取町、田尻町、岬町)

 

電話をする以外の「地番・家屋番号」を調べる簡単な方法

法務局に備え付けの「ブルーマップ」を用いて「地番・家屋番号」を調べることができます。
「ブルーマップ」とは地図上に住所(住居表示)地番が両方記載されている特殊な地図です。地図上に住所(住居表示)地番が両方記載されていることから、住所(住居表示)から地番を簡単に導くことができますが、地図上の字がとても小さくて見にくいのが難点です。法務局によっては、この問題を解消する「ブルーマップ」の代わりに「地番検索システム」というタッチパネル式の機械を置いているところもあります。「地番検索システム」「ブルーマップ」の電子版といった感じで、住所(住居表示)を入力したら該当する地図に飛んで簡単に地番を調べることができる優れものです。
「ブルーマップ」「地番検索システム」は置いていない法務局もありますので、該当する不動産を管轄する法務局に事前に確認することをオススメします。
 
私が個人的に一番よく使う方法は、登記情報提供サービスが提供している「地番検索サービス」です。利用時間であればインターネットを利用して自宅でも外出先でも調べることができます。全ての住所に対応しているわけではないのが非常に残念ですが、「地番検索システム」同様、住所を入力することによって該当する地図へ飛んで即座に地番を調べることができる優れものです。

結局、どの方法が一番オススメ?

いろいろ「地番・家屋番号」を調べる方法を申し上げましたが、専門家でもない限り、一般の方がブルーマップで調べたりするのは少々ハードルが高いと思います。結局のところ、不動産の住所がわかっているならば、法務局に電話で聞いてしまうのが一番簡単ですよね。ただ、「地番・家屋番号」を調べる方法として、法務局に行ってブルーマップで調べるのが昔ながらの大原則だと思いますので、法務局によっては、電話で地番を教えるのが当然のサービスではない場合がありますのでご注意ください。