相続人に対して「遺贈する」と遺言書に記載されていた場合

相続人に対して「遺贈する」と遺言書に記載されていた場合は、相続人に対して「相続させる」と記載されていた場合と比べると以下のような違いがあります。

「遺贈する」 「相続させる」
登記申請人 共同申請 単独申請
住所変更登記 必要 不要
権利証 必要 不要
印鑑証明書 必要 不要
登録免許税 原則1000分の20
相続人であると証明すると、
1000分の4
1000分の4

 
上記のとおり、遺言に「遺贈する」と記載されていた場合は「相続させる」と記載されていた場合に比べ、手続きの負担が大きくなります。手続き上負担となるポイントを再度確認しましょう。
 
▢ 受遺者と相続人全員(または遺言執行者)との共同申請となる。
 
▢ 遺言に遺言執行者の定めがない場合は、相続人全員が申請人となる。
 
▢ 遺言書に記載された遺言執行者の住所に変更がある場合、住所変更を証する書面が必要。

▢ 相続人の一人でも手続きに協力しない場合は、「遺言執行者選任の申立」が必要。
 
▢ 登記申請は共同申請となるので、権利証、義務者の印鑑証明書が必要。
 
▢ 被相続人の登記簿上の住所と最後の住所が異なる場合は、住所変更登記が必要。
 

 

相続人以外の第三者に対して「遺贈する」と遺言書に記載されていた場合

相続人に対して「遺贈する」と遺言書に記載されていた場合と、相続人以外の第三者に対して「遺贈する」と遺言書に記載されていた場合で登記手続き上の違いはありませんが、相続人に対して「遺贈する」場合の登録免許税が課税価格の1000分の4であることに比べ、相続人以外の第三者に対して「遺贈する」場合の登録免許税は課税価格の1000分の20となります。

 

遺贈による登記申請書(遺言執行者が選任されている場合)のひな形

 

登 記 申 請 書

登記の目的 所有権移転
 
原   因 平成〇〇年〇月〇日遺贈※①

権 利 者 大阪府高槻市〇町〇番〇号※②
        高槻 達也    
義 務 者 大阪府守口市〇〇三丁目〇番〇号
       亡守口 伸也※③
上記遺言執行者 大阪府池田市〇町〇番〇号
        池田 健 ※④

添付書面  登記識別情報(又は登記済証)※⑤
      登記原因証明情報※⑥
      代理権限証書※⑦
      印鑑証明書※⑧
      住所証明書※⑨

平成〇〇年〇月〇日申請
        大阪法務局北大阪支局※⑩

権利者兼義務者代理人
        大阪府高槻市〇町〇番〇号
        高槻 達也  ㊞
        連絡先の電話番号
       〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇※⑪

課税価格  金〇,〇〇〇,〇〇〇円※⑫

登録免許税 金〇〇,〇〇〇円※⑬

 

不動産の表示※⑭
  
所  在   高槻市〇〇〇一丁目
地  番   〇〇〇番〇
地  目   宅地
地  積   〇〇〇.〇〇㎡

所  在   高槻市〇〇〇一丁目〇〇〇番地〇
家屋番号   〇〇〇番〇
種  類   居宅
構  造   木造瓦葺2階建
床 面 積   1階 〇〇.〇〇㎡
        2階 〇〇.〇〇㎡

※①相続人に対して遺贈する場合でも登記原因は遺贈とし、日付は遺贈者が死亡した日となります。

※②受遺者(権利者)の住所氏名は所有者として登記事項証明書に記載されますので、住民票の写し通り正確に記載しましょう。ただし、住所は都道府県名から、2丁目の場合は二丁目というように「~丁目」を記載する場合は固有名詞のため漢数字を使用するルールがあります。~丁目に続く〇番〇号は数字を使用します。都道府県名を省略できるのは都道府県名と市の名前が同一の場合です。マンション名についてはいれてもよいし、いれなくても大丈夫です。
(例)
〇 大阪府茨木市〇〇二丁目5番8号
〇 大阪市北区〇〇一丁目4番3号
✖ 茨木市〇〇二丁目5番8号
✖ 大阪府茨木市〇〇2丁目5番8号
✖ 大阪府茨木市〇〇二丁目五番八号
✖ 大阪府茨木市〇〇二丁目5ー8

※③義務者として、遺贈者の最後の住所氏名を記載します。登記事項証明書の遺贈者の住所と相違ないか確認しておきましょう。登記事項証明書の住所と最後の住所が異なる場合は、所有権移転登記の前提として、所有権登記名義人住所変更登記をする必要があります。

 
※④遺贈者の代理人として、遺言執行者の住所氏名を印鑑証明書通り正確に記載します。遺言書に記載された住所と印鑑証明書に記載された住所が異なる場合には、住所の変更を証する書面が必要となりますので注意です。

※⑤登記識別情報または登記済証を添付します。

※⑥登記原因証明情報として、遺言書及び遺贈者が死亡したことを証する戸籍謄本等を添付します。
 
※⑦本件では、受遺者が、遺言執行者を代理して登記申請しているため、遺言執行者から登記申請をする受遺者への委任状が必要です。委任状に遺言執行者が署名捺印する際の印鑑は実印である必要があります。また遺言執行者が相続人の代理人であることを証する書面も必要です。遺言書で遺言執行者に指定された場合は、「当該遺言書及び遺贈者の死亡が分かる戸籍等」家庭裁判所により遺言執行者が指定された場合は、「審判書謄本」となります。

※⑧遺言執行者の印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)を添付します。

※⑨受遺者の住所を証する書面として住民票の写しまたは戸籍の附票の写しが必要です。

※⑩管轄は不動産の所在地によって決まっております。管轄の調べ方は、インターネットで茨木市の不動産であれば「茨木市、不動産管轄、法務局」、西宮市の不動産であれば、「西宮市、不動産管轄、法務局」のように「不動産が所在する市区町村名、不動産管轄、法務局」と入れて検索して頂ければ、法務局の不動産管轄のページに辿り着き確認することができます。

※⑪押印はお認印で結構です。書類に不備があった場合に法務局から連絡がきますので、連絡先を記載します。携帯電話の方がご都合よろしければそちらをご記載下さい。連絡がくるのはあくまで書類に不備があったときです。申請が完了しても連絡はきませんので、登記が完了する予定日を登記申請の際、確認するようにしておきましょう。

※⑫不動産の評価額から1000円未満を切り捨てます。計算の結果、1000円に満たない場合は、1000円となります。

※⑬課税価格から1000分の20を掛け算出した金額から100円未満を切り捨てた金額が登録免許税となります。算出した金額が1000円に満たない場合は、1000円となります。相続人に対する遺贈の場合には、相続人であることを証する戸籍等を添付することによって、課税価格は1000分の4に軽減されます。

※⑭不動産登記事項証明書の記載に従い、不動産の表示を記載します。

登記申請書のWordファイルダウンロード

遺贈の登記申請書のひな形のWordファイルダウンロード 
 
 
 

相続登記申請書一覧

★遺産分割パターン
▢ 遺産分割により自宅を単独相続
▢ 遺産分割により不動産共有持分を単独相続
▢ 遺産分割による贈与(代理人申請)
▢ 遺産分割による数次相続の中間省略登記
★遺言パターン
▢ 公正証書遺言によるマンションを単独相続
▢ 遺贈による登記(遺言者がいる場合)
▢ 遺贈による登記(遺言執行者がいない場合)
★法定相続パターン
▢ 法定相続分で相続(相続人の一人が他の相続人を代理して申請)
▢ 法定相続分で相続(相続人全員から申請)
▢ 法定相続分で相続(相続放棄者含む、法定相続人一人からの申請)
★共通の相続登記申請書のひな形
▢ 共有持分全部移転と所有権移転を一括で相続登記を申請する場合
★相続登記とセットになることが多い登記
▢ 所有権登記名義人住所変更登記申請書(共有者の場合)
▢ 抵当権抹消登記申請書
▢ 古い抹消書類を使用した抵当権抹消登記申請書
▢ 所有権保存登記申請書(相続人名義にする場合)
 
 

不動産登記申請書一覧

★移転関係
▢ 敷地権付き区分建物の所有権移転登記(売買)
▢ 所有権一部移転登記(贈与)
▢ 〇〇持分全部移転登記(財産分与)
★名変関係
▢ 所有権登記名義人住所変更登記
▢ 共有者の所有権登記名義人住所変更登記
▢ 共有者の所有権登記名義人住所氏名変更登記
★抹消関係
▢ 抵当権抹消登記
▢ 抵当権(あ)(い)抹消登記
▢ 古い抹消書類を使用する抵当権抹消登記