数次相続の相続関係図

夫の遺産につき、遺産分割協議をする前に
妻が亡くなってしまったような場合、
どのような遺産分割協議をすべきか見ていきましょう。

遺産分割協議は相続人全員の参加が必要です。
妻が亡くなってしまったことから、
妻の相続人全員が夫の遺産分割協議をする地位を引き継ぐことになります。
すなわち妻の相続人全員も遺産分割協議に参加する必要があります。

妻の相続人は上記図のとおり
長男と次男の二人です。
また長男も次男は夫の相続人でもあるので、
結果として遺産分割する相続人に変わりはないことになります。

しかし、長男と次男が妻の地位を引き継いだことがわかるように
その旨遺産分割協議書に記載することが必要となります。

もし、妻に前夫との間に子がいるなど長男次男以外の相続人がいる場合は
その相続人も遺産分割協議に参加する必要があるので注意しましょう。

遺産分割協議書の書き方・ひな形(遺産分割協議をする前に相続人の一人が死亡した場合)

遺 産 分 割 協 議 書

 平成28年10月5日、大阪府枚方市〇〇町〇番〇号 田中幸成※①(最後の本籍 大阪府枚方市〇〇町〇〇番地)の死亡により開始した相続における共同相続人全員は、本日、その遺産について、下記のとおり分割することに合意した。なお、田中幸成の相続人である田中翠が平成30年4月8日死亡したので、上記共同相続人には、田中翠の相続人も含まれる。 

1、次の不動産※②は相続人 田中 圭介 が相続する。

所  在   枚方市〇〇町
地  番   〇〇番〇
地  目   宅地
地  積   124.38㎡

所  在   枚方市〇〇町〇〇番地〇
家屋番号   〇〇番〇
種  類   居宅
構  造   鉄筋コンクリート造陸屋根2階建
床 面 積  1階 104.60㎡
       2階  64.62㎡

上記のとおりの協議が成立したので、この協議の成立を証するために本協議書を2通※③作成し、各自1通を所持する。
 

平成〇〇年〇月〇日
 

住 所 大阪府摂津市〇〇町〇番〇号
相続人兼田中翠相続人※④ 田中優紀 ㊞※⑤

住 所 大阪府枚方市〇〇町〇番〇号
相続人兼田中翠相続人 田中圭介 ㊞

 
※①誰の遺産分割協議であるのかを特定するために被相続人の最後の本籍及び最後の住所を記載します。

※②不動産については住所ではなく登記事項証明書記載どおりの地番及び家屋番号を正確に記載します。市区町村から送付される固定資産税の納税通知書や固定資産税評価証明書などの固定資産課税台帳の不動産の表示は地番及び家屋番号で記載されておりますが、登記事項証明書の地目地積または床面積と異なることがありますので注意しましょう。登記事項証明書と固定資産課税台帳の不動産の表示が異なる場合は、登記事項証明書どおりに記載すれば相続登記申請において間違いございません。

※③後日の紛争を防ぐためにも、遺産分割協議書は相続人分作成し、相続人各自が大切に保管するようにしましょう。

※④田中翠の相続人ではなく、田中幸成のみの相続人である場合は単に「相続人」と記載します。また田中翠に前夫との子がいる場合などで当該相続人が遺産分割協議に参加する場合は、田中翠のみの相続人であるので「田中翠相続人」と記載すればよいでしょう。本件は、田中優紀も田中圭介も田中幸成の相続人であり、田中翠の相続人でもあるので「相続人兼田中翠相続人」と記載することになります。

※⑤相続人全員が署名し、実印を押印します。
 
 

遺産分割協議書のWordファイルのダウンロード

遺産分割協議をする前に相続人の一人が死亡した場合の遺産分割協議書のWordファイルのダウンロード 

 
 
 
 
 

遺産分割協議書のひな形一覧

▢ 遺産分割協議書の作り方・ポイント
▢ 不動産を相続
▢ 不動産を共有持分の割合で相続
▢ 不動産の共有持分を相続
▢ マンションを相続
▢ 未登記建物を相続
▢ 附属建物がある建物を相続
▢ 不動産の換価分割①(単独名義にして売却)
▢ 不動産の換価分割②(共有名義にして売却)
▢ 不動産の代償分割①(代償として金銭を支払う)
▢ 不動産の代償分割②(代償として不動産を譲渡)
▢ 預貯金を相続
▢ ゆうちょ銀行の相続(振込先を指定する場合)
▢ 一人の相続人が債務を相続
▢ 自動車を相続
▢ 遺産分割協議をする前に相続人の一人が死亡した場合
▢ 数次相続における中間省略登記
▢ 遺産分割協議証明書の書き方
▢ 数次相続の最終相続人一人の遺産分割協議証明書